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THP特論(平成19年度)の感想
 高齢者だけでなく、在宅医療を継続する対象者についての講義により、より広くトータルヘルスを捉えることができたと思う。特に在宅医療に関しては、職種の専門性に加えて、チームアプローチの事例がある講義が理解しやすかった。高齢者のリハビリテーションについては、看護の視点と重なる点も多くあったが、他の職種がどのような視点で対象者を捉えているか改めてわかることもあった。また愛知県の政策についての講義により、より身近に在宅医療や高齢社会について捉えることができ、良かった。それらにより、多様な職種がそれぞれの専門性を活かしながら、それが途切れることのないアプローチとして提供されることが理想であるということが実感できた。  全ての講義をとおして、トータルヘルスプランナーとは、自分の専門性をもちながら、他職種との連係によりその力をダイナミクスに発揮できること、対象者を中心とする保健、医療、福祉の分野や関連する機関や職種を総合的にみられること、その人の生涯を一貫した視点でとらえられることが必要であり、さらに対象者のニーズにあったより健康的な生活に向けてのプランニングができることが求められるのではないかと感じた。その中で我々保健師がどのように専門性を発揮するのかを考えると、地域において老人保健事業の機能訓練や訪問指導でリハビリテーション等を実施する機能を果たしてきたが、今後は、要介護状態の予防活動の強化、高齢者の生活機能の低下の早期把握と早期対応、それらが実行できるようなシステムづくり、エビデンスの蓄積が求められるのではないかと思う。場合によっては、コーディネーター、マネージメントの役割を担うこともできるであろう。対象者に一番身近であるという点と、生活環境や健康の保持増進に関わりやすいという点を活かしていけるとよいと感じる。(看護)
 今回THP講義を受講して、一人の患者を取り巻く専門職種の役割や考え方、システムや設備等が多様にあるということが分かり、視野が広がったと思います。実際にチーム医療と言われても、具体的にイメージがつかなかったのですが、他職種の専門性を理解することで、チームの大切さがよく分かりました。しかし現在の病院では、医師の診療記録、看護記録、リハビリ記録が、電子カルテに統一されたとはいえ、お互いが関心を持って記録を読んでいかないことには一人の患者に対する捉え方は統一されておらず、まだ各職種が独自に動いているような感じがします。また、救急にいた時は、在宅と病院が情報交換する場がしっかりと設けられていないように感じました。看護においては患者さんの状態をその場だけでなくて、先を見てケアが行うことができるように職種間、施設間を理解し協力していくことが大切だと思います。(中略)保健師をしている中で生活習慣病が原因と思われる高血圧や高脂血症の人が30代前半から40代に多いこと、つまり、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高い人の多さに驚き、机上で学んだ医療費の削減のために検診と予防を充実させようと言う方針や運動の大切さを実感しています。一方で老健でのアルバイトでは、リハビリの関わりや在宅に帰ることができない高齢者の現状と、介護の忙しさを感じながら、マンパワーの不足と施設の不足、机上で学んだことが実際には生かされていない現実を見ます。解決されない問題も多くあることが分かりましたが、私自身としては、今後、THPで学んだことが少しでも生かすことができるような関わりをし、そして自分自身がこの関わりで良かったのかを評価しながら、日々学んでいきたいと思います。(看護)
 職場では、研修で参加しますが、自分の興味のある部分しか参加しないので、THP特論は、各専門職の働きを知ることができ、非常に勉強になりました。自分の所属するステーションは高齢者が多く、小児が少ないこと、理学療法士はいますが、理学療法に関する研修は、呼吸器リハビリや嚥下リハビリ以外は受けたことがないこともあり、理学療法の基本や今後の傾向を知ることができ、非常に勉強になりました。訪問看護では、リハビリも実施します。リハビリを実施するうえにおいて、ポジショニングは基本となることが理解できました。私の職場は、PT 、OTもいますが、安定したり改善が見られない場合は、訪問看護が引き継ぎ、たいてい半年を目安にPT、OTによるリハビリは終了してしまう現状です。しかし、職場の訪問看護師からは、理学療法の専門家ではないので、患者の病状によっては不安も大きく、引継ぎを嫌がる看護師もいます。ですが、THP特論を通して、自分の職場のような現状も今後は変化してくるだろうと予測できました。訪問看護においては、自分の役割を見直す良い機会でした。とくに、コーディネーターとしての役割は、重要であることを強く認識しました。要望としては、長年地域で開業し、看取りをはじめ、往診をこなしている医師と、名大のような大きな病院で地域医療に力を入れている医師の講義があるとうれしいです。訪問看護師としても、ケアマネジャーとしても、一番悩むのが、医師との連携です。医師の指示がとりにくい場合もしばしばあります。医師をどのように動かすか、というのは、最も難しい部分でもあります。他事業者のケアマネジャーからも、医師への連絡はどのようにしてよいか分からない、とよく聞きます。特論でなくてもよいので、医師の立場から見た在宅医療についての講義があるとうれしかったです。(看護)
 後期の授業を通して、各分野の先生方から専門分野の視点で話を聞くことができて非常に有意義なものであった。THPのもつ意味を理解し、自分の専門分野においてその知識をどのように展開していくことができるかが課題になると考える。自分の専門とするリハビリの分野においては上記に記載したとおり、これからまだまだ整備していかなくてはいけない課題がたくさんある。そこには新たなアイディアのみではなくて、他職種との連携やマンパワーの確保といった基本的な課題もある。THPの講義を通して地域で活動していくことができる知識を養いたいと思う。(リハビリテーション療法学)
 本講義を受講して、はじめは自分の専門分野と他職種の専門分野とのギャップに苦悩した。そもそも4年間ほとんど他の分野を知ることなく我が分野を学び、そして十分な臨床経験も無いまま臨んでいれば無理もないのかもしれない。しかし、THP概論・セミナーも含め、次第に専門分野と他分野を統合して考えられるようになった。本レポートでそれを十分に表現することはできなかったかもしれないが、はじめにも述べたように、2年間で自分の将来にもつながる何かが得られればよいと思う。(リハビリテーション療法学)
 それぞれの先生が経験されたことを踏まえた楽しい授業でした。他科専攻の先生方のお話を聞く機会が持てたこと、理学療法士の専門について知ることができたことは、とてもよかったと思います。しかし、「THPとは、なにか?」と尋ねられた時、未だに明確な回答が見つかりません。本来、保健師が行うべき活動であり、保健師が学ぶべき視点であり、保健師との違いはなにか???と考えるところです。私の理想とするスーパー保健師がTHPではないかな・・・とも思っています。ただ、講義を受けるうちに、保健師だけにコーディネート機能やプランニング機能があるのではなく、理学療法士や作業療法士が行う方が良いケースもあるかもしれないという考えが浮かんできました。THPでは、高齢者を中心に講義が行われていますが、保健・医療・福祉が連携して取り組むべき課題は、高齢者に関する知識だけでは解決できないと思います。高齢者の周りには介護者がいて、娘がいて、孫がいて・・・少子化対策も非常に重要な課題であり、高齢化と同時に取り組むべき対策であると考えます。母子と成人、高齢者を分けて考えるのではなく、全体として取り組むこと、専門化するのではなく、幅広い知識が身につけられ、必要な情報はどのように得たらよいのか、人と人とをどのようにつなぎ、地域をコーディネートしていくと良いのかを学べる機会があるとよいと感じました。(看護)
 最後の鈴木国文先生の講義は非常に勉強になりました。精神科領域において、患者を支援する場合に、誰がいつまでに何をするかを明確にするということ、家族一人ひとりの責任を限定することで、すべてを背負う必要がないことを明確にすること、これらはまさにトータルヘルスプランナーに求められることではないかと思います。それぞれの専門分野でどのような連携が求められているかを明確に提示することで、そこからアイディアを生み出していくことができればと思います。また、大学院でトータルヘルスプランナーを学ぶということは、実際に現場で患者一人ひとりに合わせた支援ができるということだけでなく、概念の抽象化からより効果的なサポート体制のアイディアを生み出していく能力を養うことではないかと考えます。大学院での臨床研究はまさに、臨床での症例から経験した疑問について明らかにしていこうとする抽象化の作業であると思っています。臨床能力とそれを抽象化し、汎用できる能力を備えることができればと思います。名古屋大学医学系研究科の大学院には、一般の学生だけでなく臨床経験豊富な社会人の方も多くいらっしゃるので、THPの演習でそれぞれの分野からディスカッションできることを非常に楽しみにしています。(リハビリテーション療法学)
 THP特論では自分の専門である看護だけでなく、理学療法・作業療法の視点からの高齢者医療への取り組みにふれることができました。大学院は自分の専門を深めるところなので、研究をするためにも一部分に特化した知識や経験を持つことは必要だと思います。また大学院の特権といえると思いますが、自分の興味のあること、研究に対して好きなだけ関心を向けることが許されていると思います。しかしそのために、研究分野以外の視点・刺激が少なく、関心を向けなくてもやっていけてしまいます(やってきてしまいました)。他からの刺激はかなり意識して求めないと受けることができないと思います。今回のTHP特論、それだけでなくライフトピア研究会を含むTHPコースを受けることは、私にとって自分の関心の範囲を広げる良いチャンスになっていると思います。また他専攻の興味深い話を聞くと、地域看護もそれらと協働する一つの専門分野として深めていく必要があるなと思うし、自分は現在経験も少なくかなり未熟ではあるが、今後専門家として成長できるように今出来ることを精一杯やろうとやる気が出ます。(看護)
名古屋大学大学院医学系研究科  トータルヘルスプランナー(THP)養成コース
〒461-8673 名古屋市東区大幸南1-1-20